絶版コレクション

Canon F-788dx

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メーカー Canon 07/10/13初出
12/10/11移動
型式 F-788dx  
実売価格 \2,094  
入力方式 数式通り  
角度モード × [MODE][MODE][MODE][MODE][数値]
[F<->E]キー [ENG]
メモリSTO [STO][A-Z]
メモリRCL [RCL][A-Z](CASIO方式)
√キー独立  
x^2キー独立  
1/xキー独立 ×  
BSキー  
ある方からの投書を受けて購入.なんでも,

「下のF-720iのレビューで,『CASIOの電卓を見て良く勉強しましょう』と書いたが,その通りのものが出た.」と書かれておられますが、既にF-788dxから実現されていると思われます。

なのだそうだ.発売は2006年2月.それだけなら改めて購入するほどのものではないのだが,このモデルはメモリRCLまわりのバグが面白く,Canon電卓の進化を語る上で重要なモデルである.したがってコレクター心が動かされての購入.

ところが,使ってみるとこの電卓は侮りがたい実力を持つことがわかり,急遽現行製品のお勧め電卓として紹介することにした.

デザインは最新のF-715Sに比べるともっさりした感じだが,先代F-720iよりはイケている.キー配置は投書の指摘通り,CASIOのSVPAM機最終モデルfx-991MSと似ている.しかし,fx-991MSより多いボタンを上手く生かし,SHARP電卓の欠点,『[Ans]キーが裏にある』,CASIO電卓の欠点,『[STO]キーが裏にある』のどちらの欠点も持っていない.

アンドゥが使える点はF-715同様.こちらが先輩だ.

この電卓は数式ソルブ,行列,積分などF-715世代の電卓に無い機能を持っているので,立派にCanonの現行最上位機種である.にもかかわらずこの価格なので,やはりCanonの関数電卓はお買い得だ.そして,それを踏まえて言うと,この電卓をお勧めする最大の理由は「数式の履歴が電源offでも残る」という特徴だ.このページで紹介している国産の関数電卓では唯一.持っていないので知らないが,SHARPもCASIOも「プログラム電卓」クラスになると数式記憶が残る仕様になっているものと思われる.しかし値段はコイツの倍はするだろう.私も含め,数式の履歴が消えてしまう仕様に不便な思いをしている人は多い.関数電卓を各種試験に持ち込めるようにするためには仕方のない選択なのだろうが,我々はそんなことは知ったことではない.数式の残る電卓をお探しの方は是非,コイツを買いましょう.

科学技術定数呼び出し機能も各メーカーの上位機種に備わっている機能で,CanonもF-720iから受け継いでいる.しかし前作が他にない非常に使いやすい方式だったのに対して,定数の数は増えた(79定数.fx-991MSと並び順が全く同じ)一方で呼び出し方が[C-value]+[数字]となってしまった.一応,カーソルキーで文字記号(cとかkとか)を選ぶ仕様になっているところが新しいが,[ALPHA]+[定数]にはかなわない.これは「改悪された」と言ってしまおう.

CASIOのSVPAM機との類似から,ソフトウェアの技術供与を受けた可能性が浮かび上がる.詳しくはコラムにて.