絶版コレクション

CASIO fx-913ES

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メーカー CASIO 09/01/12初出
09/01/13訂正
12/10/11移動
型式 fx-913ES  
実売価格 \2,980 平塚ケーズデンキ
入力方式 自然表示  
角度モード [SHIFT][SETUP][数値]
[F<->E]キー [ENG]
メモリSTO [SHIFT][STO][A-F, M, X,Y]
メモリRCL [RCL][A-F, M, X,Y](CASIO方式)
√キー独立  
x^2キー独立  
1/xキー独立  
BSキー  
fx-912ESがマイナーチェンジしたので購入した.CASIO独自のNatural Display方式についてのインプレッションはfx-912ESレビューを参照されたい.

型番からして中身には大きな変化が無いように思われるが,見た目はかなり違う.誰が見てもこっちの方が格好良い.いわゆる「計画的陳腐化」というヤツか.ただし,変化したのは見かけのデザインだけではない.驚いたことに前モデルよりかなり薄くなっている.これは持った瞬間に気がつくほどの変化.測ってみると以下の通り.
厚さ[mm] fx-912ES fx-913ES
本体中央(キーボード突起含まず) 11.8 10.9
ケース格納状態,中央 16.6 15.5

キーボードのタッチには変化なし.関数電卓の実装技術は携帯電話ほど精緻ではないと思われるが,それでもこれだけ詰めるには大変な努力があったものと想像される.格納状態で20~22mmもある他社製と比較すると,その差は歴然である.高さ,幅に変化は無いが角の取れたデザインが一回り小さいように感じさせる.

ブリスターパックには堂々「310関数・機能」の表示が.元々が142関数・機能だったので,一体何が増えたのかと思ったら,「単位換算機能」というものがついたのでこの数字になったのだ.

単位換算機能とは,例えば1[in]は何[cm]か?という換算係数を電卓がたくさん憶えていて適宜利用できる機能だ.中には[min]→[s]なんて腰がくだけそうなのもあるが,fx-913で82単位164機能.しかし,こういう数え方はありかなあ.310-142-164=4だが,あとの4機能が何だかは不明.これはわかり次第報告する.どうせなら,SHARPのように上位機種のソフトを移植して欲しかった.そうすれば物理定数が使えたのに.

ご存じの通り,CASIOの関数電卓は同じ機能で太陽電池なし(3x,5xシリーズ)と2電源(9xシリーズ)のモデルが選べたが,今回のモデルチェンジで初めてそのルールが破られた.換算可能な単位が373と913で違う.
  • fx-373ES     70単位
  • fx-573/913ES  82単位
  • fx-993ES     100単位
しかし,違いはこれだけで,基本的には373/913がベーシック,573/993が高機能で,その差は行列,ベクトル機能の有無と考えて良い.373は913にくらべ市価で1,000円ほど安い.

さて,前モデルで気になっていた幾つかの点は変わったか.
  • 小数の計算を答を分数で返す:変化無し
  • キー入力の反応:変化無し
  • [=]直後に[RCL]を押すと[Ans]に変わってしまう問題:変化無し
というわけで,中身のソフトウェアにはほとんど違いが無いようだ.演算速度も,コラムで述べた積分計算をやらせてみたが同タイムだった.

一方,はっきり変わって評価出来るのは分数の入力方式.TIの30XBと同様,2/3の入力が

[2] [□/□] [3] [→]

と入力出来るようになり,一手減少(コラム参照).Natural Display機では分数はよく使う機能なのでこの改良は歓迎.そうそう,地味な改良だがメモリーが二つ増えた.E,Fも利用可能.「土地家屋調査士」受験生には朗報だ.

薄くなった筐体と改善された分数入力.値崩れした旧モデルを捜すよりは素直に新モデルを買った方が良いだろう.