絶版コレクション
TI 30XA
メーカー | Texas Instruments | 10/02/05初出 | |
型式 | 30XA | ||
実売価格 | 13.98ドル(約\1,300-) | エモリー大学の生協で | |
入力方式 | 標準電卓 | ||
角度モード | ◎ | [DRG] | |
[F<->E]キー | ○ | [2nd][ENG]または[2nd][SCI] | |
メモリSTO | ○ | [STO][1]or[2]or[3] | |
メモリRCL | ○ | [RCL][1]or[2]or[3] | |
√キー独立 | ○ | ||
x^2キー独立 | ○ | ||
1/xキー独立 | ○ | ||
BSキー | ○ | ||
エモリー大学訪問の際,おみやげを買うために寄った生協で.あちらでは日本製の関数電卓のシェアは低く,「電卓といえばTI」が常識.逆に,本機を日本で手に入れる事は相当困難な様だ(通販も正式なルートは確認できなかった). 筐体の大きさは国産の標準入力タイプより少しだけ大きい.質感,カバーの立て付けは,Canon F-502Gなどと比べると明らかに一歩譲る.ファンクションキーが数字キーと同じ大きさなのは,手の大きなアメリカ人向けか(笑).そのため,キー数はF-502Gと比べて4つ少ない.それにもかかわらず重要な機能は全て表にあるのは立派である.上の表が全て「○」評価なのは,現在の所本機のみである.更に,[π]キーが堂々たるポジションである点を高く評価したい.演算キーが一回り大きいのもエルゴノミクス重視だ.つまり本機は,キー操作性の点からは本ページで紹介されている機種中最高の評価となる. 国産電卓と異なる点を挙げていこう.まず,液晶表示を見てお分かりのようにメモリが三つある.「標準電卓は一つ」という常識に慣れた我々には驚き.上級者向け機能と言えるが,慣れてしまえば二つ以上のメモリを使いこなすことは難しくない.何より忌まわしい[M+]が無いのが私好みだ. 続いて,[Σ+]キー.この電卓には「統計モード」が無いのだ.国産の関数電卓は,統計計算をやりたいときにはまず「統計モード」に入ってからデータの入力を行うが,本機はいつでも[Σ+]を押すたびデータが入力される.こちらの方が合理的な設計と言えるだろう. 機能的には,Canon,SHARPの現行機に備わっているn進変換,複素数演算機能は付いていない.基本機能に徹した割り切りと見た. 自動電源offから復旧するとき,入力途中の数値も含めてすべての状態を記憶しているというのは他機種(30XB)にも共通する特徴.国産関数電卓は各種試験対応のためこの機能を敢えて殺していると思われるが,本当に意味があるのかは疑問. 「欠点」と言ってしまうのはキーの数が少ないゆえに可哀相なのだが,[F<->E]機能が裏にある点は指摘しておこう. 入手困難な上マニュアルは英語とかなりハードルの高い機種である.しかし,実務で関数電卓を使う際に何が必要か,という観点から,プロのエンジニアの方々には本機を是非お勧めしたい. |