関数電卓博物館

SHARP EL-502

 

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メーカー SHARP 14/06/06初出
型式 EL-EL-502   
発売年 1977?  
販売価格 不明  
動力 006P  
表示方式 蛍光表示管  
コレクション
付属品
化粧箱,合成皮革ケース,マニュアル  
兵庫県にお住まいのS氏より寄贈を受ける.シンプルな機能の関数電卓である.「表」の関数は三角関数のみで,あとはすべて裏関数.筐体は,この当時の標準からすればかなりコンパクト.現代の関数電卓と比べても,正面から見た面積は小さい.厚みは6P電池収納のためそれなりだが.

残念なことに,このモデルに関する情報はネットでもほとんど見つからない.ただし,前後のモデルから以下のことが推測できる.
  • 発売時期はEL-5001と同じ.ということは,シンプルな機能は「小型・軽量・安価」を目的に絞り込まれたものと推測される.
  • 当時の仕様としては,珍しくACアダプタには対応していない.しかも電池は6P(9Vの四角いヤツ).ポケットに入れて持ち運ぶことを意識した設計思想である.
  • 機能を絞ったと言っても,指数表記対応で,三角関数の他に指数・対数・π機能を持っている.但し,キー数が少ないため裏関数に割り当てられており,実戦での使い勝手は二の次という設計思想.
以上から,当時はまだ高価だった関数電卓を大学生に普及させるためにシャープが送り込んだ刺客,という推測が成り立つのだが如何だろうか.

しばらく使ってみて,ユニークな表示を発見したので報告.本機のエラー表示は現代主流の「E」表示でなく,「0.0.0.0.0.0.0.0.」である.この理由はある程度推測できる.蛍光表示管のドライバICが汎用品で,数字表示しかサポートしていない可能性である.