関数電卓マニアの部屋

Canon F-605G

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メーカー Canon 16/09/24初出
型式 F-605G  
実売価格 \960 新宿ヨドバシカメラ
入力方式 標準電卓  
角度モード [DRG]
[F<->E]キー [F<->S] or [ENG]
メモリSTO
[x->M] [STO]
[SHIFT][STO][A-F]
メモリRCL
[MR]
[RCL][A-F]
√キー独立  
x^2キー独立  
1/xキー独立 ×  
BSキー  
この「数式通り」全盛の時代に,敢えて世に問う「標準電卓」.しかも同社にはF-502Gという先行機種が存在する.当然,何か特別なものがなければ暴挙と言われても仕方ない.

本機の特徴は何と言ってもそのサイズにある.過去20年に発売された主要3メーカーの関数電卓のなかで,最も小さく,軽い.Yシャツのポケットにも余裕で入る大きさである.かつて,CASIO fx-260Aが販売を終了したとき,ポケットサイズの関数電卓が無くなることを惜しむ声が聞かれ,今でも海外向けモデルを通販で購入するマニアがいると聞く.しかし,本機登場でその必要はなくなった.

このサイズと,コストダウンのためか,キーはゴム製である.耐久性には劣るかもしれないが所詮1000円以下の電卓.壊れたらまた買えば良い.キーは大きく,同社の絶版モデルF-500に比べ操作性は格段に良くなった.フォントも現代的で視認性が良い.

キー配置はF-502Gに似たところがあるが,マルチメモリをサポートしたためキーアサインを変更.[OFF]キーを廃して[RCL]キーを追加した.

マルチメモリの使い方は「数式通り」準拠.[STO][A]でメモリAに保存,[RCL][A]で呼び出し.メモリは6個あるが,十分すぎるほどだろう.

右下の[M+]キーは相変わらずだ.マルチメモリになっても敢えて[M+]を残すとは,Canonさんはこのキーがよほど好きらしい.私ならファンクションエリアの[X-M][MR][STO][RCL]にして統一されたメモリ操作を与えるところだ.[M+][=]と入れ替え,[π]キーが良いだろう.

時刻入力方式はF-502Gと同様[1] [゚ ' ''] [2] [3] [゚ ' ''] [4] [5] [゚ ' '']と打ち込む方式.置数結果表示も度分秒で,更に使いやすくなった.歓迎するべき変更だ.

まとめると,比類ないコンパクトボディと「標準電卓」として従来機より優れた機能を持つ本機は,「標準電卓」派の諸兄のセカンドマシンとしてお薦めしたい.