絶版コレクション

SHARP EL-520E

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メーカー SHARP 07/09/10補筆
09/01/09修正
型式 EL-520E  
実売価格 \2,980  
入力方式 数式通り  
角度モード [SETUP][0][数値]
[F<->E]キー ×  
メモリSTO [STO][A-F, M,X,Y]
メモリRCL [RCL][A-F, M,X,Y](SHARP方式)
√キー独立 ×  
x^2キー独立  
1/xキー独立 ×  
BSキー  
2006年6月当時のフラッグシップモデル.CASIOの「数式通り」のフラッグシップ,fx-991MSのライバル機に位置づけられたモデル.あれから520Fにモデルチェンジしたものの,webサイト上では現行機種あつかいだ.機能的には現行の509Fと全く同じということを確認してある.

CASIO/Canon(両社のプログラムには共通点が多い)とSHARPの「数式通り」には幾つかの点で哲学の違いと言って良い操作方法の違いがある.一言で言えば,SHARP方式は「標準電卓」との互換性をより強く意識している,ということだ.たとえば,

・置数はまず下の解答エリアに表示,確定したら上の数式エリアに移る
・[+/-]キーの作用ルールが「標準電卓」に近い(→コラム参照)
・角度への変換キー[<->DEG]は[=]を押さずに直ちに作用する
・「数式通り」のくせに,定数計算機能が使える

など.

メモリーまわりのユーザーインターフェースは明らかにSHARP機が上.まずボタンが独立しているのは最低条件.そして,[RCL]キーを押したときの挙動は,CASIO/Canonは09年1月現在の現行モデルでも不満な点があるが,本機は完璧である.メモリのストア,呼び出し機能についてはコラム参照のこと.

一方,SHARPの「数式通り」モデルに文句を付けたい点が2点.

・[ENG]キーが無い.
・[ANS]キーが裏にある.

どちらも多用するキーなので,これは何とかして欲しい.

そしてファンクションキー.1/xだけならまだしも,√キーも裏側にある.1/xなんか,ファンクションエリアからも追い出されてるし.多機能ゆえ割付に苦労したということなのだろうが,ユーザーインターフェース重視の設計とは言えない.

数多くの基本的な関数,機能が裏に回ってしまったのは,機能を盛り込みすぎてキーが足りなくなってしまったからだろう.「多機能」=「高級」と勘違いしている最近の家電製品を思わせ哀しい.

一方,n進モード,複素数モードでのキー操作のやりやすさはCASIO/Canon機よりずっと使いやすい.ALPHA,SETUPキーを削ってファンクションキーを増やし,EL-509Eを見習ってユーザーインターフェースを整理すればずっと良くなると思うのだが.