2006年度レポート課題

※レポート課題は締め切り日の17:00までに21研究室のポストに提出のこと.授業開始時,授業終了時にも受け付ける.
※レポート課題はA4の用紙を使用して解答のこと.表紙は不要.手書きの場合はレポート用紙の使用を推奨する.

第1回 10/06 〆切10/13

課題:1辺1.0mの正三角形の頂点にそれぞれ+1.0nCの点電荷をおく.

  1. 正三角形の中央の電場の向きと大きさ,無限遠を基準とした電位を求めよ.
  2. 系の対称性から正三角形の中央におかれた電荷は動かないはずだが,釣り合いは安定でも不安定でもないいわゆる「鞍点」となる.その理由を述べよ.

つりあいが「安定」ということは,電荷が今の位置からどの方向に僅かに動いても,必ずその反対の向きの力を受けること.一方「不安定」とは,電荷がどの方向に僅かに動いてもその方向に力が働き,電荷が安定点から転げ落ちるということ.

問2は難問なので分からなくても良い.

講評:


第2回 10/27 〆切11/10

真空中に半径$a$で中身の詰まった導体球を置き,電荷$Q$を与えた.無限遠方を電位の基準として,以下の問に答えよ.

Q1
系の静電エネルギー$E_1$を求めなさい
Q2
つぎに,図1のように内半径$b$,外半径$c$の導体球殻を,二つに割って静かに半 径$a$の球にかぶせ,図2のように同心に配置する.このとき,系の静電エネルギ ー$E_2$を求めなさい.
Q3
例えば$E_1$より$E_2$が大きい場合,エネルギー保存則から静電エネルギ ーがどこからか供給されなければならない.一体,エネルギーはどこから来た か.$E_1>E_2$の場合はエネルギーはどこへ行ったのか答えよ.$E_1=E_2$になった諸君は, 当然この問に答える必要はない.

講評:


第3回 11/24 〆切12/01

図のように,導電率$\sigma$,内径$a$,外径$b$,高さ$l$のドーナツ状抵抗体の内周,外周に リング状電極をはめ,図のように直流電源に接続したところ電流$I$が観測された. 抵抗体の導電率は小さいため,電流は抵抗体の中を一様に流れると仮定できる(電極は等電位と仮定できる). このとき以下の問に答えなさい.

Q1
図に示したA点における電流密度を求めなさい.A点は抵抗体の中,電 極のすぐ内側にある.
Q2
この抵抗体の,内側電極と外側電極の間の抵抗を求めなさい.
Q3
一般に抵抗体の発熱量[W]は$I^2 R$で表される.この系でその関係が 成り立っていることを示しなさい.

ヒント:抵抗体の単位体積当たり発熱量は$Ei$[W/m$^3$]で計算できる.

講評:


第4回 12/15 〆切12/22

図1の様に,真空中に半径$r$の円形コイルを置き,電流$I$を流す.コイルの中心軸を通るように $x$軸を定める.
Q1
$x=0$における磁束密度の大きさを求めなさい.
Q2
$x$軸上の,任意の点の磁束密度の大きさを求めなさい.
Q3
図2の様に,同じコイルを二つ,原点を中心に$r$だけ離して置く.電流$I$を1.00A,$r$=0.100mとして,$x$軸上 $\displaystyle{-\frac{r}{2}\sim+\frac{r}{2}}$の範囲における磁束密度をグラフ に表しなさい.グラフ作成においては,適当なソフトウェアを活用することが望 ましい.縦軸を,磁束密度の大きさが分かるように記述すること.
ボーナス問題:このように配置されたコイルは「ヘルムホルツコイル」と呼ばれ, 広い範囲に均一な磁場を作るために利用されている.では,なぜこのような配置にすると中心軸状のかなりの範囲で磁場強度が一定になるのかQ2,Q3の解答を利用して説明しなさい.これはかなり難問.

講評:

  • 例によって,正解が1問の人がC,2問の人がB,全問正解をAとします.これが基礎点.
  • Q1は,確かにQ2を解けばその特殊なケースとして解が出る.実際そのようにして解いた人が多くいた.しかし,Q1は各電流素片が作る磁場をスカラ的に加えられる,ということに気がつけばBiot-Savartの法則から暗算でも答が出る.模範解答はこちら
  • Q2は,対称性の考察や変数変換などが出てくる,大学の電磁気学らしい問題だ.正解者多数なのは大変喜ばしい.中でも途中の説明の明快さ,字や絵の綺麗さからこちらを模範解答とする.
  • 今回は,グラフまで描いた解が多数あった.しかし残念なことに,グラフを-r/2〜r/2まで描いていない解答が非常に多かった.これらはA-とする.Mathematicaで普通にグラフを描くと,磁場が|x/r|〜0.25くらいでグラフの下にはみ出す.これでは,問題に答えたことにはならない.ここからもう少し考えてくれたら良かったのになあ.模範解答はこちら
  • ボーナス問題に果敢に挑戦してくれた人が随分いた.でも,ほとんどの諸君がインターネットで調べたことをそのまま書いているだけで,自分で納得しているのか疑問.ボーナスなので厳しく採点し,『二つのコイルの作る磁場をテイラー展開して,3次まで0だから磁場強度が一定』という解答は不可とした.
  • まず,二つのコイルの磁場を足すと強度が一定になるために,個々のコイルが発する磁場に必要な条件はなにか,ここから出発する必要がある.条件がなにか分かるかな?これが分かればボーナス点だ.ちなみに正解をこちらに掲載する.

※今回のレポートで一人,名無しさんがいます.提出したのに得点一覧表に評価が付いていない人は申し出て下さい.


授業アンケートについて

今年も貴重な意見をどうもありがとう.例年,オリジナル教科書については「良い」という意見が多いですね.あと,教科書に忠実に進めるところも「良い」と評価して貰っています.この二つが「電磁気学」のセールスポイントでしょうか.今年は,特に「改善するべきだ」という意見についてコメントしましょう..

改善すべき点

「字が読みにくい」
「記号が判別しにくい」

「板書が早く追いつけない」
「ノートに書くことが多い」

その他,特にコメントしたい意見

「内容が難しすぎる」
「レベルを下げて下さい」

「出席点を評価して欲しい」

「教科書の値段を上げても良いので,ページあたり文字数を減らしてほしい」

「見下す態度はやめてほしい」
「冷酷な感じに思える」